意外と目にも症状はでてるかも。。。。。。|広島の眼科【ソレイユ眼科】

意外と目にも症状はでてるかも。。。。。。

みなさんこんにちは。

今年の夏は、雨や曇りが多くあまり
夏の暑苦しさを体験できず、
少し寂しい思いで秋を迎えようとしている
ソレイユ眼科の生田目です。

今月は、2部に分けて「糖尿病に関する目の病気」についてお話します。

まず、糖尿病とは血液中の血糖が慢性的に多い状態となり、
血糖値が高くなる病気のことです。

血糖値を下げる唯一のホルモンである”インスリン ”の
作用不足によって起こります。
糖尿病の発症には遺伝的な要素がみられますが、
生活習慣病のひとつです。

多くの場合、食生活や運動不足、肥満などに起因します。
糖尿病を無治療のまま放置すると、

心筋梗塞や脳梗塞など緊急度の高い病気だけでなく
3大合併症といわれる
糖尿病(性)網膜症、糖尿病(性)腎症、糖尿病(性)
神経障害(糖尿病性ニューロパチー)にかかるリスクが高まります。

糖尿病は、おおまかに分けると
"1型糖尿病"と"2型糖尿病"があります。

1型糖尿病は、「自己免疫性」と
原因がわかっていない「特発性」に分類されます。

自己免疫性の1型糖尿病は、体の免疫システムが関連して
膵臓のβ細胞が何らかの原因で破壊されることにより発症します。

2型糖尿病は糖尿病全体の90%以上を占め、最も多いとされています。
2型糖尿病の原因には、遺伝因子と環境因子があります。

糖尿病発症と関係のある遺伝子によって、
糖尿病を発症するリスクは高くなります。
運動不足と、脂質摂取量の増加や栄養バランスの
偏った食事や、不規則な食生活も関係しています。

さらに、近年では麦や雑穀等の摂取量が激減したことによる
食物繊維の摂取不足と、慢性的なマグネウムの摂取不足が、
発症要因に関与していることが着目されています。

ここまでは、糖尿病についてお話してきました。

続いては、眼科的可能性のある病気についてです。

<糖尿病と眼科的可能性のある病気について>

糖尿病と眼科的関係のある病気で
代表的なのは"糖尿病網膜症"と"糖尿病黄斑症"です。

糖尿病網膜症とは、糖尿病によって網膜の血管が障害される病気です。

視力低下などの自覚症状がないまま進行して、
症状が出現したときにはすでに重症になっている場合が
少なくありません。時間をかけて網膜症が発症します。

また、網膜症が発症する以前から、血管や血液の変化が生じてきます。

高血糖によって、網膜に張りめぐらされた毛細血管が障害され、
血管から血液が漏れて出血したり(点状、斑状出血)、
血液中のたんぱく質や脂質が網膜に沈着(硬性白斑)したりします。

血糖コントロールが良好な場合には、網膜症が消えることもあります。
ものを見る中心部(黄斑部)に網膜症が及ばない限り、自覚症状はありません。

網膜症がさらに進行すると、毛細血管がつまって
網膜の神経細胞に酸素や栄養が行かなくなり、
神経のむくみ(軟性白斑)や静脈の拡張などが生じてきます。

網膜が酸素欠乏状態になると、
酸素を補うために異常な血管(新生血管)を作る準備が
始まります。この段階になっても、自覚症状はありません。

網膜から新生血管が硝子体中に発生してきて、
目の中に大きな出血(硝子体出血)が起こってきます。

さらに進行すると、増殖膜が網膜表面をおおい、網膜を引っ張って
網膜剥離を起こします。

新生血管が発生しても視力に影響はありませんが、
硝子体出血や網膜剥離が起こると、
急に視力低下などの自覚症状が出現してきます。

続いては、糖尿病黄斑症についてです。

糖尿病黄斑症とは、ものを見るのにいちばん大切な黄斑が
糖尿病によって障害され、神経の感度が
低下して視力が落ちる病状です。
黄斑部の毛細血管が障害され、血管から血液浮腫が起こっている状態です。

糖尿病患者の視力障害の原因として最も多いものです。
黄斑浮腫の病状は、局所性浮腫とびまん性浮腫に分けられます。

<局所性黄斑浮腫>
黄斑部の毛細血管が障害されて、
黄斑部やその周囲に限局性に滲出液が貯留する状態です。

<びまん性黄斑浮腫>
黄斑部の毛細血管が高度に障害されて、
滲出液が黄斑部全体に貯留する状態です。

ー糖尿病網膜症の治療についてー

網膜症の発症や進行の予防には、血糖コントロールがもっとも大切です。

自覚症状が出現しにくいので、眼科医による定期的な
精密眼底検査が不可欠です。

糖尿病と診断されたら早急に眼科を受診して、自覚症状がなくても
定期的な眼底検査を受けることが大切です。

”糖尿病眼手帳”という手帳でかかりつけの内科さんと
血糖値が安定しているのか、眼科としては眼底に出血や異常な点がないか、
などその日の受診内容を記録した手帳を患者さんに配布し
内科さんと連携しながら、患者さん1人1人の経過観察を行います。

ここまでは、眼科の糖尿病網膜症と糖尿病黄斑症についてお話してみました。
次回は、女性特有の妊娠糖尿病に的をしぼってお話します。

意外と目にも症状はでてるかもの画像 ソレイユ眼科

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