妊娠糖尿病って・・・・|広島の眼科【ソレイユ眼科】

妊娠糖尿病って・・・・

みなさんこんにちは。

この1週間で急に朝晩が冷え込んで来ましたね。。。
あっとゆうまに苦手な冬が来ることに怯えている眼科スタッフ生田目です。
今回は、前回の続きです。

前回は、糖尿病についておおまかではありますが、
説明させていただきました。
今回は、前回の終わりに案内したように妊娠糖尿病についてお話していきます。

妊娠糖尿病とは、妊娠中に初めて発見された糖代謝異常のことです。

なお、妊娠前からすでに糖尿病と診断されている場合や、
妊娠中に“明らかな糖尿病”と診断された場合は
妊娠糖尿病には含まれませんが
これらは妊娠糖尿病より重度の状態ですので、
血糖をより厳密に管理する必要があります。

また妊娠前に糖尿病と診断されている場合は、
血糖を十分に管理し糖尿病の合併症(網膜症や腎症)がある場合、
その状態の評価を行ったうえで
計画的に妊娠することが、
健康な赤ちゃんを産むためにとても大切です。

妊娠中の糖代謝異常は、以下の2つに分けられます。

1.糖尿病合併症妊娠
(糖尿病と診断されていた女性が妊娠したもの)

2.妊娠中に初めてみつかった糖代謝異常
(1:妊娠中に診断された明らかな糖尿病)
糖尿病の診断基準を満たしており
妊娠糖尿病と区別すべきもの

(2:妊娠糖尿病)
妊娠の影響で糖代謝異常をきたしたもの

ここでは、これらのうち「妊娠糖尿病」に範囲を絞って説明していきます。

―原因―
妊娠糖尿病は、妊娠の影響でインスリンのはたらきが
低下することで起こります。

食事をとり血糖値が上がると、すい臓から“インスリン”
というホルモンが分泌されます。
インスリンは血液中のブドウ糖を脳や筋肉に運び入れ、
肝臓や脂肪組織でブドウ糖からグリコーゲンや脂肪を作る機能をもちます。

このようにして、インスリンにより血糖値が低下します。

しかし、妊娠中、特に妊娠20週以降になると、
複数のホルモンのはたらきにより
インスリンのはたらきが徐々に低下していきます。

そのため、妊娠中のお母さんは血糖値が高くなりやすいのです。

妊娠糖尿病になりやすいリスク因子として、以下があげられます。

1.糖尿病の家族がいる
2.肥満
3.妊娠中に体重が急増した
4.高齢出産
5.巨大児を出産した既往がある

ただし、上記のリスク因子をもたない妊婦さんでも
妊娠糖尿病になる場合もあります。

また、近年の高齢出産の増加にともない増加傾向にあります。

―症状―
自覚症状がほとんどないため、妊婦健診時の検査により発見されます。

診断されずに病状が悪化すると、
お母さんと赤ちゃんに以下の合併症がおこる可能性があります。

おかあさん
*糖尿病の合併症(網膜症や賢症など)
*妊娠高圧症候群
*羊水量の異常
*流産・早産
*肩甲難産
(肩甲難産とは、お産のときに赤ちゃんの頭だけでてきたものの
肩がひっかかって出てこられない状態のことです。)

あかちゃん
*流産
*形態異常
*巨大児
*心臓の肥大
*低血糖
*多血糖
*電解質異常
*黄疸
*胎児死亡

どうやって診断されるの?

妊娠の早い時期に随時血糖をはかりこれが高いときには
ブドウ糖負荷試験をして診断されます。

妊娠中に注意することって?

血糖の厳重な管理がとても大切です。

目標は、食前:100mg/dl未満 食後:2時間120mg/dl未満
妊娠中は運動療法が難しいので、食事療法で治療していきます。

血糖管理が十分にできない場合は、
あかちゃんに悪影響を与えないインスリン注射を
用いて管理します。

お産の後に気をつけることって?
産後6~12週間後に再びブドウ糖負荷試験を受け、妊娠糖尿病になった方は
妊娠糖尿病のなかった人に比べ、約7倍の高頻度で糖尿病になりますので
その後も定期的な健診が必要です。

産後に母乳で育てますと、おかあさんもあかちゃんも将来
糖尿病になる頻度が減ることが知られていますので母乳栄養を心がけましょう。

娠糖尿病は、今回の妊娠中にいろんな合併症を起こすだけでなく
おかあさんの将来の糖尿病、メタボリック症候群発症、
さらにはあかちゃんの将来の糖尿病、メタボリック症候群発症にも
関係するため、妊娠時に糖尿病に対する正しい知識をもち
医師の指導のもと産後も食事や運動などのライフスタイルに
気を配るようにしてみてください。

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